リジア アントニオ カルロス ジョビン作詞作曲の女性の名前がタイトルになった歌。 この歌が生まれた背景について、そのエピソードをとても詳しく紹介している記事を『南米音楽365日』というブログの中に見つけたので、こちらにリンクを貼らせていただきます。 https://nanbeiongaku365.com/ligia-antonio-carlos-jobim-ver-chico-buarque/
そうなんだ。 友人の奥さんに恋をしてしまったから、こんな風に 『僕は君のことなんか夢に見たりしない。一緒に過ごしたいとも思わない』 なんてひねた言葉で語っているのですね。 要するに全部ウラハラ。
ブラジル音楽は直訳するとワケがわからなくなる歌詞が多いなかで、特にこの曲はワケがわかりにくいです。
和訳より意訳のほうが、威力を発揮する歌なので。 私のアバウトな意訳で歌詞を説明するのがぴったりなのではないかと。 ブラジルのことをあまり知らない方は、ブラジル人はすごく大雑把でがさつで、うるさくて。。。繊細さのかけらもないように思っている人も多いように思いますが。 （実際そういう人も多いかもしれませんが💦） この歌の主人公はまるでサリンジャーの小説の中に出てくるような。 村上春樹の小説に出てくるような。 ガラスのように繊細な感性で女性に対する愛を謳うのです。
Lígia
Eu nunca sonhei com você Nunca fui ao cinema Não gosto de samba não vou a Ipanema Não gosto de chuva nem gosto de sol
君のことなど夢に見たりしない 一緒に映画に行ったこともない サンバは嫌い イパネマの浜辺に行くこともないし 雨も晴れの日も嫌い （君のことをいつも夢みている 一緒に映画にも行ったし
サンバは大好き イパネマの浜辺はいつも行ってるし
雨も好きだし晴れの日も好き） E quando eu lhe telefonei, desliguei foi engano O seu nome não sei Esquecí no piano as bobagens de amor Que eu iria dizer, não ... Lígia Lígia
僕は君に電話をしたけど間違えたとすぐに切ってしまった 君の名前も知らないし 君の名前なんて忘れてしまった ピアノ弾きながら愛のたわごとみたいに語ろうと思っていた君の名前など リジア、リジア・・・
（電話したけど、すぐに切ってしまった
君の名をピアノを弾きながら歌うのさ
忘れるわけがない
リジア、リジア） Eu nunca quis tê-la ao meu lado Num fim de semana Um chopp gelado em Copacabana Andar pela praia até o Leblon
週末を君と一緒に過ごしたいなんて思ったこともない コパカバーナのバーで冷えたビールを飲んで
海岸を一緒にレブロンの街まで散歩したいなんて思ったこともない
（こんなことを君として過ごしたいのさ） E quando eu me apaixonei Não passou de ilusão, o seu nome rasguei Fiz um samba canção das mentiras de amor Que aprendí com você É ... Lígia Lígia
僕が君に情熱を向けたとき 夢はかなわなかったし、君の名前など忘れることにした
君から教わった愛の嘘で僕は歌を作った
君が僕に作らせたんだ リジア、リジア・・・・ （これは本音では？） **E quando você me envolver Nos seus braços serenos eu vou me render Mas seus olhos morenos Me metem mais medo que um raio de sol É... Lígia Lígia
君が僕を抱きしめるとき その優しい腕の中で僕は自分自身に言うんだ 君のその茶色い瞳はまるで高く空に上がった太陽のように 僕を怖がらせるんだ リジア、リジア・・・
（本当はまるで明るい太陽に抱かれたように幸福なんだ
リジア、リジア）
こうして本音の部分を書いてみると、改めて。
ウラハラな気持ちを歌ったほうが、歌として素敵ですね。^^;
とっても素敵なメロディに、この歌詞をうまく載せて歌うには、ブラジル音楽ならではなグルーブが身体に入ってないと難しいのですが、このAMELIAさんは、とってもうまくグルーブに載せて歌ってらっしゃいます。上手い！！
ということで、数々の名演奏の中から、こちらのクリヤマコトさんがピアノを弾かれて参加している動画でどうぞ。